電脳ミツバチのコンピュータ広報室

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エンジニアが左うちわPart4。猫でもわかる金融の歴史

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今日は猫でもわかる簡単な金融の歴史を記事にします。うちの猫のテンテンくんは餌をもらった後にスリーステップで食べたことを忘れてしまい2つある餌場をウロウロ往復しているので難しいですが、普通の猫くらいなら分かるほど簡単です。

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世界最古の文字はメソポタミア文明楔形文字と言われてますが、さて、人間が記録の必要性に直面し、文字を発明することになった最初の動機は、在庫の管理や取引、会計記録など経済活動にありました。これは農耕が始まり食べる以上の余裕が生まれたからです。食料生産に従事しない神官や職人、商人が生まれ、都市が形成されました。現在のイラクあたりで紀元前5000年前ごろに起こった話です。【文字の始まり:古代メソポタミア文明
 
やがて穀物などの再分配を取り仕切るリーダーが生まれ、徴税制度が始まります。どれだけ食べ物、金属、工芸品が倉庫に残ってるかはリーダーにとって重要な情報でどうしても記録する必要があったのです。【徴税制度の始まり:古代メソポタミア文明
 
タブレットのような粘土板に文字に書いて年に一度の収穫期には棚卸しをし、決算報告書までも後世に残すようになりました。紀元前1823年の粘土板には借用書が残っております。つまり、収穫まで前倒しで麦や銀を借りることも出来、さらにこうした賃借契約は公証人に届けた上で譲渡も可能だったということで利子付きの証券として出回っていたことになります。【決算報告書、借用書の始まり:古代メソポタミア文明
 


紀元前625年新バビロニア時代には現在の銀行のような商売も始まりました。エジビ家やユダヤ系のムラッシュ家などです。彼らは王に対する貸付や小切手、為替手形、不動産ローンの買取、さらにはVC(ベンチャー投資)なども行っていました。【銀行の始まり:新バビロニア時代】
 
 
 
中世大航海時代に入ると1580年にオランダと敵対するスペインがポルトガルを併合し、ポルトガルからコショウを調達していたオランダが窮地に陥ります。そこで自らコショウを調達すべく船団を組み直接アジアに乗り込み成功します。このルートに目をつけたのがかの有名な東インド会社です。ちなみにパイレーツオブカリビアンのジャックスパロウも東インド会社をクビになった海賊です。船団は帰ってくるまでが長く、借りたお金をなかなか返せませんでした。そこで1602年、全ての航海を一つの事業とみなし、元本返済期限のない利子の約束もない有限責任の株式会社オランダの東インド会社(VOC)が誕生しました。オランダ東インド会社誕生とともに近くに同じく世界初の証券取引所アムステルダム証券取引所が誕生し、オランダ東インド会社の株式が活発に売買されました。こうして出資を集め、それを元手に貿易で利益を出し、あっという間に巨大な組織になりました。これが株式会社・証券取引所の始まりです。【株式会社・証券取引所の始まり:中世大航海時代
 
 
 
 
相場のテクニカル分析が行われ始めたのは以外にも日本が先駆けでした。江戸時代後期の1724年、出羽国庄内(現在の山形県酒田市)に日本一の大地主・本間家の初代当主・原光の5男として本間宗久という男が生まれました。本間家のある酒田は出羽米(今の庄内米)の一台生産地であったため、当然のように宗久も米の投機売買に手を出しました。宗久は、米相場の研究を始め、実践に移したが、買えばあたり、売ればあたりでわずかの間に巨額の富を築きました。(現在の金額にすると1兆円以上稼いだといわれている)1774年江戸幕府の財政指南役として 相談を受けるまでの立場となりました。一方アメリカでもこのころからダウ・ジョーンズ社の創始者チャールズ・ダウがテクニカル分析を始め、後継者のウィリアム・ハミントンがダウ理論を完成させました。【テクニカル分析の始まり:18世紀江戸後期】
 
 
最後に、近代の銀行システムは何もないところからお金を創造します。これは信用創造という天才的な仕組みによって新しいローンが組まれるたびに毎日膨大なお金が生まれているためです。たとえば皆さんが家を買ってローンを組んだとき、あなたはローンによってお金を銀行に納めなければなりませんが銀行は借り手の口座に金額を書き込むのみです。何らかのお金を一切動かすことはありません。簡単に言えばそんな感じです。実は政府が造幣局によって作るお金は循環しているお金の5パーセント以下に過ぎないのです。【信用創造の始まり:近代】
 
 
 
現代の金融の基礎ははるか古代メソポタミアから築かれ、今なお発展途上です。仮想通貨などここにきてまったく新しい概念が登場し、この先銀行業務自体がガラッと様変わりすることが予想されています。皆様も今一度この変化をチャンスと捉え、学びなおしてはいかがでしょうか?
 
 
金融の歴史まとめ(図解)
 
メソポタミア文明 金融の始まり(BC5000)
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バビロニア時代 銀行の始まり(BC600)
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中世大航海時代 株式会社・証券取引所の始まり(1300)
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本間宗久、チャールズ・ダウ テクニカル分析 1780年
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近代・現代 信用創造
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おまけ 日本の貨幣の歴史
日本の貨幣の歴史は7世紀後半飛鳥時代の「富本線」です。(私は和同開珎の世代ですが)。それまでの古代は物々交換で、富本線は中国を模倣して藤原京造営の役務に対する手形で造られました。しかしそのころ日本は貨幣が流通するほど商品経済が発達してなかったため苦肉の策として富本線を集めたものには褒美として位を授けるようにしました。結局使わずに溜め込まれたため死に金が多く12世紀後半平清盛が渡来銭を輸入するまで廃れてしまいました。
 
この後16世紀安土桃山時代になると金山銀山を手に入れた戦国大名が独自の金貨銀貨を作り流通させ、徳川家康の時代に全国で統一されました。この時、銀を鋳造する場所ということでいわゆる今の銀座が出来ました。(金座は日本橋にありましたが、途中で紙幣に変わったので日本銀行日本橋にあるのです)
 
 
 
 
 
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